

計算ドリル(13)
父にとって、言葉でのコミュニケーションはやはり難しいのでした。 では、字はどうだろう、と文字盤などあれこれ試しました。 けれど、自分の意思を伝える手段としてはどうもうまく使えない。 けれど、字は左手で書ける。 数はどうだろう、と子供用のドリルを買ってきました。...


朝のルーティン(12)
在宅での父の介護が始まって5年余り、大混乱の時期を経て、新しい日常が徐々に落ち着き、今思えば、それなりに平穏な日々でした。 仕事もtしていました。ベルサッサでしたけど(終業とともにサッサと帰る)。 朝、7時前、コツコツと杖の音が聞こえてきます。...


オリジナルの手すり(11)
父の退院を前に行った室内のリフォームは、車いすで移動しやすくするためのものでした。 一つはドアを引き戸に変え、車いすが通れるように間口を広げること。トイレ、寝室、台所、洗面所の4か所です。 もう一つは、トイレなど、車椅子から立ち上がるところに手すりをつけることでした。...


父の再生。光の先にあるもの(10-4)
入院中、父は病気で死ぬのではなく、憤死するに違いないと思うほど、ずっと怒りまくっていました。何もかもできなくなってしまった絶望と混乱の中にいたのだと思います。それが、自宅に戻り「できた!!」という実感を積み重ねるうちに、かつての日常とは違う、新しい日常を受け入れ始めたのでは...


父の再生。光の先にあるもの(10-3)
わが家は高台の住宅地にあり、平らなところはほとんどありません。 初めて父に外を歩かせるとき、母はどんな気持ちだったんだろう。 父はどうだったのだろう、と思うのです。 だめだ!とわかっても、病院のように回りに人がいるわけではなく、途中にベンチがあるわけでもない。立往生したら、...


父の再生。光の先にあるもの(10-2)
家の廊下がリハビリルーム。 その訓練内容は怖がって大声をあげる父を、母が無理強情歩かせるのというものでした。びっくりするほど無理強情で、父の嫌がりようもこれまた必死で、あまりの力任せぶりに笑ってしまうほど。 この独自訓練を二人でやってたんと思うと、まさに「恐るべし…」という...


父の再生。光の先にあるもの(10-1)
退院から1年余り経った頃でした。 週末のある日、父が麻痺側の右足に、つま先から足の付け根までの長い装具を付け、小さな脚立のような杖をついて、家の廊下を歩いていました。 「嘘でしょ…」狐につままれました。 退院したT病院では、「歩く見込みはない」と診断され、退院後、歩行訓練を...


お茶
昨日は外国人のかた向けの和菓子体験教室に講師として参加させていただきました。 以前、薯蕷饅頭を作って、それを気に入ってくれた友人からの薦めです。 お饅頭作りは初めての方には難しいかなと思い、どら焼き&お抹茶にしました。 ドラえもんは国際的ですものね。...


大好きなドライブ(9)
ドライブは暑くても、寒くても、台風でなければ行きたいのです。 マグロと一緒で、止まらず走ってさえいれば上機嫌。 居眠りをすることもありませんでした。 毎日お風呂に入れることも、車椅子を車に積んでドライブに行くことも楽ではありません。...


大好きなお風呂(8)
家での暮らしが始まりました。父は毎日、お風呂に入りました。 仕事から急ぎ帰ると、父の入浴タイムです。 父が家のお風呂に入るためには脱衣所と風呂場の段差解消(15㎝)が必要でした。これは工務店のHさんにステンレス製のスロープを作っていただき、椅子にキャスターが付いたような入浴...