計算ドリル(13)
- fairfax3939
- 2017年1月15日
- 読了時間: 1分
父にとって、言葉でのコミュニケーションはやはり難しいのでした。
では、字はどうだろう、と文字盤などあれこれ試しました。
けれど、自分の意思を伝える手段としてはどうもうまく使えない。
けれど、字は左手で書ける。
数はどうだろう、と子供用のドリルを買ってきました。
最初はふんふんと格闘していましたが、そのうちに「馬鹿にするな!」と言わんばかりにやるようになりました。
倒れた当初、医師はCTの画像を見て、脳細胞のほとんどがダメージを受けている、と言いました。言葉にはされなかったけれど、命を取り留めても回復は見込めないということだと思いました。
それにしては、その後、あれこれできるようになるのです。歩いたり、決まった時間に娘を起こしたり、掛け算をしたり…。
つまり、お医者様の見立て以上にも、以下にもなり得るということなのでしょう。

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