

父、帰る(6-1)
8ヶ月ぶりに帰った居間で、父は嗚咽して泣きました。 こんなに帰りたかったんだ…。 言葉で伝えられない父は、声を上げて泣き、私たちに家に帰ることができた嬉しさを伝えました。母の体を思えば、この選択がよかったのどうかわからない。でも、あの父の姿をみて、とにかくやるしかない!と思...


大きな決断点(5)
病院で季節が三つ移り変わった頃、退院の話がでました。 その頃には、食事は普通食、点滴もはずれ、服薬だけになっていました。 しかし、身体機能は立ち上がりのみで、一歩も歩けません。排泄には介助が必要でした。 そして、もっとも困ったのが、父からの意思を受け取ることができないこ...


小さな「できる」が見つかった(4-2)
母には持病がありました。自分に弱いところがあっては父の介護がままならないと、父の病態が落ち着いた頃、母も入院しました。この時、母が顔を見せないことを不審に思ったのでしょう。父はしきりに何かを訴えました。事情を繰り返し答えるのですが理解できません。「はいよぉ~!!!」と連呼し...





















