

方向転換(27-4)
あの頃、父は夜3回くらいトイレに起きました。 「お父さん、必ず起こしてね」 父はきっと私に声をかけたのです。でも、私はくたびれ果てて、その声に反応しない。だから、父は一人でトイレに行こうとします。でも、ゆっくりゆっくりしか歩けない。真冬、自分で上着も着られない。寒いし、トイ...


方向転換(27-3)
しみじみつらいなぁ、と思う日もあって、そこに介護事業所からサービス中止の宣告。 なお悪いことに、父もへとへとだったのでしょう、歩行が不安定になったのです。 ホットカーペットの縁が越えられない。柔らかいカーペットの上を杖歩行するのが不安定になりました。父が一人で家にいる時間、...


方向転換(27-2)
ちょっと頼みたい。 それが介護保険法の改定によりできなくなりました。介護者が子世代のの場合、生活援助は受けられない。洗濯物は暗くなっても外に干したまま。雨戸も開けたまま。 今まで頼めたことが頼めない。やらなければならないことが増える。...


方向転換(27-1)
父が脳塞栓で倒れたあと、私はフルタイムで14年間働きました。 最初の8年間は、母が主介護者で私はその補助、そして妹の家族4人でした。 ところが、ある日突然、一人欠場に伴う選手交代。私に主介護者の役が回ってきて、家族は三人になりました。バタバタでしたが、それでも、妹がいること...


介護事業所を比較する(26-4)
そして何より、私をあれほど追いつめた父の介護サービスの継続問題は、ケアマネージャーを別の事業所に替えて以降、問題として取り上げられることはありませんでした。デイサービスもヘルパー支援も継続したにも関わらず…。なぜでしょう。...


介護事業所を比較する(26-3)
ヘルパー支援を二つの事業所から受けることにより、いろいろことが見えてきました。驚いたのは、全く同じ支援内容でも事業所の規模や介護福祉士の数等により料金が違うこともあるということでした。 また、キャンセル料も違いました。サービス内容によりキャンセル料が利用料より高くなることも...


介護事業所を比較する(26-2)
ケアマネージャーから介護サービスを中止すると言われ、誰に相談もできないまま、自分なりに考えて動きました。 デイサービスを他の事業所に変更することは、父にとって負担が大きいと思いました。それまでのデイサービスが父にとって過ごしやすい所なのかどうか、失語症の父の口から聞くことは...


介護事業所を比較する(26-1)
少し、話を前に戻します。 母が亡くなり、私が父の介護者になって4年目の秋、ケアマネージャーからサービスの停止を言い渡されました。 しかし、実際問題、父を一人家において仕事にはいけません。仕事を辞めるにも、今日、明日というわけにはいきません。公的な介護サービスを受けられない、...


Tさんの仕事(25-3)
また、思いがけない再会もありました。父の最後の入院中、病院の廊下で呼び止められました。14年前、私が介護者になって初めて関わったケアマネージャーのSさんでした。 彼女はコミュニケーションが難しい父のために、自作のノートを作ってくれました。...


Tさんの仕事(25-2)
父の命の火があと少しで消えるとわかって、私が父を家に連れて帰ると言った時、Tさんは立場上、もちろん何もコメントしなかったけれど、私には彼女がそれがいいと言ってくれている気がしました。 父と私の暮らしをずっとみてきて、最後、そうすることが私らしいとわかってくれていたと思います...