母の服 (52)
- fairfax3939
- 2017年8月2日
- 読了時間: 1分

母は料理に限らず、洋裁も和裁もやりました。
私は並外れて大きな子供でした。小学校5年生の時、転校した先の学校の始業式で、列の後ろに立っていたら、新しい先生だと間違われました。担任と並んで写る修学旅行の写真はどう見ても副担任。小学校は私服でしたし、実年齢と体の大きさに一番ギャップのあった高学年はほとんどが母の手作りでした。当時は既製服に憧れたけれど、今は幸せな子供時代と重なって服というより思い出の品です。
母が自分のために作ったスーツやコート。断捨離後の今もクリーニングのビニールがかかったまま手元にあります。当時のものは割とたっぷり作ってあって、私が着れなくはないのがかえって悩ましい。手を加えればとも思うけれど、最近の軽い服になれた身には、ずしりと重い手製の服はなかなか手強い。
母の服、愛おしくもあり、悩ましくもあり…。
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