四半世紀
- fairfax3939
- 2017年3月5日
- 読了時間: 2分

四半世紀前、大学時代の友人と三人でドイツに行きました。
往復の航空券とホテルだけ。ドイツ在住の友人と合流するのは旅の後半。それまでは、自力でフランクフルトからロマンティック街道を南下してローテンブルク、ミュンヘンまで行き、ノイシュバンシュタイン城を見てハイデルベルク。そこで友人と合流して、ケルン・ボン空港から帰る1週間の旅でした。
旅の初日、予約していたロマンティック街道行きのバス(1日1本)に乗り遅れました。時刻改定で15分早くなっていたのです。ネットのない時代、調べる術もなく呆然とたたずんでいると、旅慣れた風の日本人カップルが「電車でいけるよ」と教えてくれました。仮死状態だった私たちはその言葉に息を吹き返しました。駅のホームで電子辞書を片手に三人頭を突き合わせて、どっちが上りか下りかを検討する。そして、カートを探す。今では考えられないけれど、キャスターのついていない旅行鞄を肩から下げて移動したのです。
ミュンヘンのイングリッシュガーデン、目指すレストランに行くために道を尋ねると、聞く人聞く人「すぐだよ」みたいに言うのです。でも、2時間彷徨っても辿りつけない。ここは樹海…?。そのうち、一人の手の指関節のしわがなくなるほどむくんできました。もう帰ろう!、優しそうなおばあさんに地下鉄の駅まで連れて行ってもらいました。自動販売機もなく、喉が渇いて飲み物を頼んだら、超高硬度のミネラルたっぷりの炭酸水。一口飲んだ時の何とも微妙な沈黙が忘れられません。
5月のドイツ、一面の緑に色とりどりの花と茶色い三角屋根。20代の忘れられない冒険旅です。
この週末、三人が揃いました。
はたからは確実におばさんの3人組にみえると思うのです。
でも、二人をまったく変わらないと感じるのはなぜだろう…。
あらためて考えて、雰囲気かなと思いました。
自然な笑顔、自分のことは冗談交じりで遠慮がちに、人への気遣いは気づかれないようにふんわりなのね…。
喪中葉書で父の死を知って、一人は片道4時間かけて、一人は超多忙な仕事の合間をぬって集ってくれました。
四半世紀前、ハードな1週間を面白がって、笑ってクリアしたパワーの欠片がまだ残っていると信じて、私も頑張ろうと思います。
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