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​はいよ!日記

22年前のあの日(1)

  • fairfax3939
  • 2016年12月23日
  • 読了時間: 2分

今から22年前の1994年3月12日、私は両親と森山良子さんのコンサートに行く予定でした。

仕事から急ぎ帰ると、父がその日、何か調子が悪く、病院に行ったと言うのです。父は二人で行って来いと言うけれど、母も心配だから行かないと言うし、結局、チケット3枚無駄にしたのです。

次の日の朝、父に「どう?」と聞くと、「うん、悪くないな」と答えました。

この時、これが父との最後の会話らしい会話になるとは夢にも思わなかった。

その日は友人が遊びに来ることになっていて、私はこの会話のあと、お昼ご飯の支度に追われていました。白木蓮のつぼみが大きくふくらんで、あと数日で咲きそうな春の日でした。

母が庭で倒れている父を見つけました。たぶん、私が救急車を呼んだのだけれど、よく憶えていません。憶えているのは、救急隊の方の呼びかけに返事ができず、視線をさまよわせる父の姿。61歳、定年退職した一年後でした。

救急車には母が乗り込み、私は一人台所に戻って、何をしたらいいのか呆然としながら、まな板の上の切りかけの野菜を最後まで刻んだことを憶えています。

私は友人からの電話を待ちました。最寄り駅に着いたら連絡が入ることになっていました。あの当時、携帯はありませんでした。「父が倒れて救急車で運ばれた。今日はごめん。」そんな風に伝えたと思います。

娘二人の平凡な4人家族の日常はその日を境に変わりました。

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