最後の「お帰り!待ってた」(54-11)
- fairfax3939
- 2017年8月21日
- 読了時間: 1分
2016年1月24日、妹を残して皆帰り、静かになりました。私がお風呂に入っていると妹が呼びにきました。父の呼吸が浅くなってきました。父の様子がどう変化していくかは訪問看護師さんから聞いていました。いつ、どの時点で看護師さんに連絡をするかもいただいた冊子にありました。旅立ちが近づいているのだな、とわかりました。
ふいに「知床旅情」の歌が口をつきました。父が唯一ハミングできる十八番です。それから、父の好きなボニージャックスメドレー、「雪の降る街を」「遠くに行きたい」。それから台湾にいた頃、母がよく歌ったという「ブルーライトヨコハマ」「恋の季節」、「四季のうた」「北国の春」…。昭和歌謡を思いつくままに妹と歌い続けました。何曲くらい歌ったでしょうか。
日付が変わった未明、父の呼吸がゆっくり静かになりました。
退院して4日目、穏やかな最期でした。
こうやって、人は死ぬんだなぁと思いました。
父が笑顔の余韻を残してくれたことに救われます。これまでのすべてのことに意味があったように思えて安堵しました。こういう気持ちになれるところまで、父が生き抜いてくれたことに感謝しています。

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