手すりのこと(45-2)
- fairfax3939
- 2017年7月5日
- 読了時間: 2分
1994年に父が脳塞栓で入院し、8カ月後自宅に戻るにあたり、最初のリフォームをしました。家まわりのことを全てお願いしているH工務店のご主人が、病院のトイレのL字手すりの取り付け位置を測って同じように設置してくれました。
素材も病院と同じステンレス製でした。ところが、病院のように全館暖房が入っていればいいのだけれど、家のトイレは寒い。L字の縦の部分に肩を持たせかけて、ズボンの上げ下げをする父には冷たかった。次のリフォームで木製に替えました。
例の外階段、父が80歳を過ぎる頃には、ゴム製のちょっとやそっとでは滑らない大工さんが使うような手袋をつけるようになりました。握力、腕力が落ちてきたため、強力手袋の力を借りて、階段の上り下りを助けてもらうようになりました。夏冬にかぎらず、オールシーズン手袋装着です。そろそろ、階段は厳しいなぁ、エレベーターの出番だなぁと思っているうちにその必要もなくなってしまいました。

写真は縦手すりを握った手が下にすべらないように、握る箇所の下にかませるタイプの福祉用具。玄関の上がり框をエイッ!と上がる時に掴む縦手すりに付けました。
たかが手すり。されど、片麻痺の父が在宅で暮らすためには、なくてはならない相棒でした。父が亡くなったあと私が詠んだ五行歌*です。
父の気配を
消さないように
手すりをそっとにぎる
少し
温かい気がする
(*五行歌:五行歌とは、日本のこれまでの詩型から、新しく考えられた自由で、書きやすく、また完成しやすい短い詩の形です。五行歌の会公式ホームページ、五行歌とはより)
Comments