椅子いろいろ (37-10)

２００１年の終わり頃から母の体調が悪くなり、朝のお散歩も滞るようになりました。週末、母に代わって私が散歩に出かけるのだけど、それまでの父の歩きとは明らかに違ってきました。しんどそうなのです。ある日、途中で歩けなくなって、後ろで支える私に父の全体重がかかってきました。身動きができず「誰か助けてぇ～！」という感じ。父をひきづるようにして、人のお家の塀までたどりついて座らせて、私が家まで戻り、車で迎えにいきました。ほんの数十メートルの距離です。

そんなことがあって、父も散歩に行くとは言わなくなりました。平らな所だけでもと、車で平らな所まで行って歩かせました。その時、いつ父がギブアップしてもいいように、肩から下げて持ち歩いたのが、写真のディレクターズチェアーです。

２００２年５月、母が亡くなって生活が変わり、仕事と家のことでもがく中、父の散歩にかける時間とエネルギーはなくなっていきました。何とか外歩きを維持したかったけれど、週末の散歩だけで元に戻すのは難しかった。私は母の頑張りが無になるようで、残念で、残念でなりませんでした。しかし、その時は自分もあっぷあっぷの状態。できたことはデイサービスのリハと訪問リハを追加して、家の中では歩き続けられるようにすることでした。